赤ちゃんの健やかな成長を願って、古くから行われるお祝い行事の数々。お七夜、お宮参り、お食い初め、初節句のほか、最近ではハーフバースデーをお祝いするのも一般的になってきましたね。
この記事では、赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの間に行うお祝いについて紹介します。子どもの成長とともに、子育てを乗り越えてきた家族の労もねぎらってくださいね。
お七夜 命名式(生後7日目)
赤ちゃんの誕生後、初めてのお祝い行事が「お七夜(おしちや)」です。産まれた日を1日目と数えるか、産まれた翌日を1日目と数えるか、地域によって異なりますが、概ね生後7日後と考えて良いでしょう。「お七夜」は、別名「命名式」とも言われています。赤ちゃんの名前を親戚にお披露目して、お祝い御膳をいただくというのが一般的です。
ずっと昔、赤ちゃんが産まれて無事に育つということが難しい時代がありました。そのため、7日目を無かるまでは名前をつけず、無事に7日目を迎えられたとき、盛大にお祝いしたそうです。とはいえ、生後7日後というと、まだ入院しているか退院して間もないタイミングなので、無理は禁物です。母子の状況を最優先に、お祝いやお披露目はできる範囲で行いましょう。
お宮参り(生後31日〜32日目/0歳1ヶ月ごろ)
「お宮参り」は、赤ちゃんの無事な誕生の報告と、健やかな成長のの祈願を行う行事です。地元の産土神(うぶすながみ)にお参りするのが古くからの習わしとされていますが、現代においては特に決まりはありません。家族がお参りしやすい神社へ行くのがいいでしょう。
神社では、お祓いを受けて、祝詞をあげてもらいます。祈祷の初穂料は神社によって設定されているケースもありますが、特にないようなら5000円〜1万円が相場とされています。赤ちゃんとその家族以外が参列するなど、人数が多くなる場合はお気持ちを添えるのがスマートです。
祈祷の時間は祝詞をあげてもらう人数により異なりますが、想定していたより長く時間がかかった…という意見もあるので、時間に余裕を持った行動を。祈祷中は私語・撮影を控えましょう。
「お宮参り」は、男の子が生後31日目、女の子が32日目に行うのが一般的ですが、こちらも地域によって決まり事が変わってくるので、親や身近な親戚に聞いてみてくださいね。厳密に日付を守る必要はありません。それより、赤ちゃんを含めた家族の体調や、気候、天候を考慮した日程で訪れるのが一番です。お宮参りの記念に写真館で家族写真を撮ったり、お祝いの食事の席をもうけると記念に
お食い初め(生後100日目/0歳4ヶ月ごろ)
“赤ちゃんが一生食べ物に困らないように”という願いをこめて行われるのが「お食い初め(おくいぞめ)」です。尾頭つきの鯛、赤飯、お吸い物、煮物、香の物などのお祝い膳を用意して、赤ちゃんに食べさせる真似をします(離乳食のスタートは一般的に5〜6ヶ月ごろなので、お食い初めではあくまで食べさせる真似にとどめましょう)。
「お食い初め」でもう一つ欠かせないのが「歯固め石」。「歯固め石」にお箸を当てて、“赤ちゃんに丈夫な歯が生えてきますように”と願って、お箸で赤ちゃんの歯茎に優しく触れてくださいね。「歯固め石」は、お宮参りで訪れた神社の小石を拾って使うのが一般的ですが、その場合は後日きちんとお返ししましょう。難しい場合は「梅干し」で代用するのもよくあるパターンです。
ハーフバースデー(生後6ヶ月)
「ハーフバースデー」は海外の風習に由来しています。名前の通り、生後6ヶ月ごろの赤ちゃんをお祝いする行事で、近年で一般化したように感じます。赤ちゃんのために離乳食でお祝い膳や離乳食ケーキを作ったり、お部屋を飾りつけたりして、写真撮影を楽しんではいかがでしょうか?
初節句(桃の節句・端午の節句)
「初節句(はつぜっく)」とは、赤ちゃんが生まれてから1歳までの間にはじめて迎える節句のことです。女の子は3月3日の桃の節句、男の子は5月5日の端午の節句でお祝いします。健やかな子どもの成長を願って、お祝い飾りやお祝いの食事を楽しみましょう。
桃の節句(もものせっく)
3月3日に行われる「桃の節句」は、ひな祭りとして広く知られていますね。お祝いに「雛人形」を飾りますが、こちらは目安として立春から飾るとよく、桃の節句が終わったらなるべく早い時期に片付けましょう。お祝いの食事としては、ちらし寿司やお吸い物、ひなあられを準備します。
端午の節句(たんごのせっく)
5月5日行われる「端午の節句」は、子どもの日という呼び名が一般的。GW(ゴールデンウィーク)の祝日にもなっているので、家族で過ごすという方も多いのではないでしょうか?「五月人形」や「鯉のぼり」を飾り、ちまきや柏餅を食べて、子どもの健やかな健康をお祈りしましょう。
ファーストバースデー(1歳)
赤ちゃんが産まれて1歳の誕生日は、家族にとっても特別なお祝いですよね。1歳の誕生日・ファーストバースデーだけに行われるお祝いを見ていきましょう!必ずやらなければいけないものではありませんが、特別な写真を撮れるなどこの時期だけの記録としてもおすすめですよ。
一升餅(いっしょうもち)
一升(約1.8kg)のお米で作られた丸いお餅のことで、1歳のお祝いの代表的なもの。一升は、一生という意味がかかっており、“一生食べ物に困らないように”との願いが。また、丸いお餅の形には“円満な人生が送れますように”という願いが込められています。素敵ですね!
この一升餅は、赤ちゃんが草鞋を履いて踏む「餅踏み」や、風呂敷に包んで赤ちゃんに背負わせる「餅背負い」など、地域や家庭によって異なる儀式が行われます。どちらをやるかは自由ですし、どちらもやるという家庭も増えているようですよ。使った餅の消費に困るという方は、一升餅の代わりに「一升パン」や「一升米」で代用するというのも一つの手。
選び取り
「選び取り」は、赤ちゃんが取ったものによって、どんな人になるか?どんな職業に就くか?を占うものです。定番のアイテムは、筆・お金・そろばんなどですが、最近では楽器やアクセサリーなど、さまざまなものを用意して選び取りをしたり、カードで代用するなど楽しみ方が広がっています。
赤ちゃんが誤飲したり、怪我をしないように、アイテム選びは慎重に行いましょう。選び取りのアイテムは赤ちゃんから少し遠くへおいて、はいはいやたっちで選び取りする様子を動画に収めてはいかがでしょうか?
赤ちゃんが生まれてからの1年はあっという間です。お祝い行事は必ずやらなければいけないものではありません。赤ちゃんの健やかな成長を祈りながら、家族や親戚が集う楽しい場として、できる範囲で無理なく取り入れてみてくださいね。